たった2週間で、背番号62の環境は激変した。広島戦の雨天中止が決定する直前のマツダスタジアム。阪神植田海内野手(22)が練習を終え、室内練習場からロッカールームへ歩き始めた。すると大勢の報道陣が雨にぬれながら、一斉に若虎を追いかけた。4連敗中のチームを救うキーマン。4月末からシンデレラボーイ的な活躍を見せ、ひときわ期待が高まる俊足巧打の「走り屋」が帰ってきた。
40度近い高熱を出し、11日広島戦からの2試合はマツダスタジアムにも現れていなかった。この2日間、チームは4安打1得点、5安打1得点と打線がふるわず連敗。3日ぶりに全体練習に参加した植田は冷静に気持ちを高ぶらせていた。「(体は)大丈夫です。今まで通り自分のできることをやります。連敗中ですけど、自分のやれることをやるだけだと思います」。自然と言葉に力がこもった。
ちょうど2週間前の4月29日、この日と同じマツダスタジアムの広島戦で今季初スタメン。以降は体調不良で欠場するまで、10試合連続で遊撃スタメンを勝ち取った。この間は33打数12安打、打率3割6分4厘で、出塁率は5割。若武者の勢いもあり、チームも6勝4敗と勝ち越した。21イニング連続で適時打が出ず、4試合連続2点以下と苦しむ今だからこそ、22歳の躍動感に期待をかけたくなる。
金本監督は雨天中止決定後、植田について「今日、(スタメンで)行く予定やったよ」と明かした。明日15日DeNA戦(甲子園)での先発復帰は確実な情勢だ。チームは4連敗で借金1の踏ん張りどころ。チームトップタイの6盗塁を誇るスピード感が、虎を再浮上に導く。【佐井陽介】



