ナインよ、虎党に夢を!! 阪神は21日、大阪市内のホテルで球団納会を行い、矢野燿大監督(49)が来季に向けた「必勝5箇条」を説いた。ファンサービスを念頭に必勝指令。個性あふれるヒーローインタビューのほか、喜怒哀楽を出したプレーなどを求めた。来季の目標は優勝だ。ナインが一堂に会した場所で、矢野流の所信表明だった。

情熱がほとばしる所信表明だった。壇上でよどみなく、言葉が口を突く。「僕のやりたい野球、目指す野球を説明させてもらいたいと思います。僕は『ファンを喜ばせたい』ということを一番に掲げています。そのなかには、5つ、僕のなかで、どうしたいかがあります」。まさに五箇条の御誓文。5分28秒の熱弁に矢野野球が詰まっていた。

<1>勝つこと 今季は01年以来、17年ぶりの最下位に沈んだが、劣等感はない。力強く「タイガースファンは勝って喜んで、その結晶が優勝になっていく。2019年シーズン、みんなで勝って、そして優勝してファンを喜ばせたい」と宣言した。05年以降、長く栄光から遠ざかるが指揮官自ら号令し、悪夢を振り払う。

<2>プラスワンを求めよ 甲子園には大観衆が詰めかける。勝てばいいだけではない。いかに魅了するか。「勝つこと、優勝することだけでは足りない。勝つこと以外のプラスワン。何か、みんなのなかで考えてもらいたい」と呼びかけた。今季は2軍監督として若手にヒーローインタビューで個性を求めた。定番トークではなく、自分の言葉で語れ。「何かそこで自分のメッセージを伝えてほしい。もっともっと自己アピールを。走れる人は『明日も盗塁を見に来てください』でもいいでしょう」と言う。

<3>感情を出し切れ 負けが込んだ今季終盤は淡々と戦っているように映った。おとなしいプレーはNG。「選手がグラウンドで暴れ回って喜怒哀楽を出してもらって結構」と強調した。覇気、闘争心…。戦う者としての資格を指摘した。

<4>裏方に恩返し ナインは打撃投手やブルペン捕手らに支えられる。「ファンを喜ばせ、僕たちが勝つことで、そういう人たちにも恩返しができる」と強調した。普段から周囲の人への感謝を示す指揮官らしい思いがあふれていた。

<5>球団職員も団結 球場でのイベントやグッズも大切なサービスだ。スタッフ全員の一丸を呼びかけ、さらに言う。「一番大きな目標、優勝は大変、難しい目標ではありますけど、さらに上のファンを喜ばせるところを目指してやっていきたい」。来季逆襲へのろしを上げた。【酒井俊作】