決断のカギは「挑戦」だった。FA移籍を決めた浅村栄斗内野手(28)が22日、心中を激白した。

埼玉・飯能で西武の球団納会ゴルフに参加。今季のチームメートたちとリラックスした時を過ごした。ラウンド後、ソフトバンク、オリックス、宣言残留を認める西武との選択から楽天を選んだ心境を語った。

-今の気持ちは?

浅村 この1カ月間、本当に悩みました。丸1日と言っていいぐらい、ずっと考えて。ライオンズへの愛着も本当にありました。その中で、一野球人として人生は1度きり。終わった時に後悔したくない気持ちが強くて。苦しかったですが、環境を変えて、チャレンジして、自分のレベルアップにつなげたいと決めて、今はホッとしています。

-楽天にした決め手は?

浅村 1つは、自分が環境を変えたい中で、一番合っているのかなと。熱意は、どの球団にも感じていましたが、一番マッチした球団だったんじゃないかと。移籍するからには勝ちたい気持ちがある。(楽天からは)自分が行って、本当にプラスになる、必要だと言われたので。今はライオンズと来年、戦う。負けたくない気持ちが強いです。

-具体的にはどこが合っていると感じた?

浅村 (西武で同僚だった)岸さん、(渡辺)直人さんもいますけど、楽天の“チーム”ということを第一に考えました。本当に変わろうとしている。自分が行って、少しでも優勝に向かってチームが変わるのであれば、一緒に楽天のためにと思いました。自分個人としても、挑戦しないで残ったら悔いが残るのではと。何回もある権利じゃないので。

-西武での思い出は?

浅村 本当に感謝しかありません。言葉では言い表せないくらい、感謝しています。10年前、ライオンズに取ってもらって、育ててもらい、権利を得て、成長できた。今は感謝しかありません。

-この先、どういう野球選手になりたいか?

浅村 移籍することで不安もあります。成功するか、失敗するか。出るからには、楽天のために必死でやりたいと思っています。FAして良かったと思えるように。また、ファンの方にも、そう思ってもらえるように。

-決断までは誰かに相談した?

浅村 いくら相談しても、自分の人生。自分で責任を持たないといけない。最終的には、しっかり悩んで決めることができました。

-明日(23日)の西武のファン感謝デーでは、ファンに何とあいさつを?

浅村 何を言われるか分かりませんが…、ライオンズのファンの皆さんに育ててもらったのは、紛れもない事実。感謝の気持ちを言いたいです。うまく言えるか分かりませんが。野球をやめるわけじゃない。応援してもらいたい、というのが率直な思いです。

-西武の背番号3への思いは?

浅村 当然、ずっと欲しい番号と言い続けて、ようやくつけることができました。その時はFAのことは考えてなかったです。3番をつけて、ライオンズのためにやりたい気持ちがありました。ただ、FAが近づいて、考えることが変わりました。悩んで…。自分の中で、本当に悔いのないようにやりたい気持ちが一番強かったです。自分勝手ですが、環境を変えてチャレンジしたい気持ちになりました。

-楽天石井GMからは、どんな言葉を?

浅村 「絶対活躍しないといけない、なんて思わなくていいから。浅村が来てくれることで、若い人たちは背中を見るから。来てくれるだけで意味がある」と。自分の中で刺さりました。

-FA権行使を決めた時、「ライオンズを最優先に」と言っていたが?

浅村 もちろん、最後まで悩みました。ライオンズには、紛れもなく育ててもらい、感謝の思いが強くあります。その中で、ライオンズを最優先で考えましたが、悔いを残したくなかった。何回もチャンスがあるわけじゃない。ここで出なかったら、(将来、権利を再取得した時も)また出ない選択になるのかと思い、挑戦して、自分の器を大きくしたいと思いました。

-条件で言えば、ソフトバンクは大型契約を提示したが?

浅村 ライオンズも本当に評価してくれた。ソフトバンク、オリックスも(好条件を)出してくれましたけど、お金で選ぼうという感じは全然考えませんでした。自分が行って、どこが一番成長できるかと考えたら、自分の中で楽天が一番に出てきました。合っているんじゃないかと。

-今日、西武のみんなとはどんな会話を?

浅村 いろんな方に「お世話になりました」と、あいさつさせていただきました。これで終わりじゃない。「これからはライバルになる。よろしく」と、みんな言ってくれました。感謝しかありません。

-西武の若手へアドバイスを。

浅村 アドバイスなんて、ありません。みんな、どんどん若い人が出てきている。辻監督になって、若い人が頑張って、チームが強くなった。自分を抜いて、もっと強くなると思います。