上位4チームが1ゲーム差にひしめく混セの首位、巨人原辰徳監督(60)が、沢村拓一投手(31)を中継ぎに“再々転向”させてブルペン強化を図る。

16日、中日3連戦に向けて名古屋に移動。2月のキャンプ終盤から先発に挑戦させていた右腕を野上に代えて1軍昇格させ、慣れ親しんだ場所に呼び戻す決断をした。

先発に転向させた際は「1点を守るのは窮屈そうに見える」と評したが「時間と、先発ピッチャーをやったことで、そういうものが取れたように私には見えました。だから専門職の方で頑張ってもらおうと。彼とも話をして、納得した形」と、再び配置転換に踏み切った。4連敗中のチームは、救援防御率がリーグ5位の3・96。守護神中川は開幕から15試合連続無失点だが、勝利の方程式を確立できず、1位広島の2・78から1点以上離されている。

打線はリーグ最多50本塁打を誇る中、ブルペンの整備が混セを抜け出す課題に挙がる。沢村は昨季チーム最多49試合に登板した実績があり、クローザーにつなぐセットアッパーとしての役割が期待される。「リリーフは経験のあるポジションですし、求められたところで、常に全力を尽くしてきたので、チームが勝つために、腕を振っていきたいです」と引き締めた。

原監督は2軍戦で3試合連続本塁打のゲレーロ、中継ぎの桜井も昇格させ、計6人の入れ替えでテコ入れを計った。今季初の4連敗を喫した前日15日の試合後は「今現状、やや逆風は吹いてるかもしれない」と表現。「逆風」を「順風」に変えるべく、最善の手を尽くしていく。【前田祐輔】