2軍調整中の阪神藤浪晋太郎投手(25)が復活を猛アピールした。11日、ウエスタンリーグのオリックス戦(オセアンBS)に先発。今季最速の157キロで4者連続を含む8奪三振をマークし、5回を1安打無失点。制球面でも無四球と力強さプラス安定感が光った。

30日の同カードから中11日での実戦復帰3戦目。右打者3人が並んだオリックス打線相手に二塁を踏ませない貫禄の投球だった。初回、3番岡崎を空振り三振に仕留めた直球は、19年最速の157キロを計測。3回には復帰後、初めて安打を許すがクイックやけん制を挟み、落ち着いて後続を封じた。4回の1番西浦から5回の4番T-岡田までは4者連続三振。課題の右打者とは6打席対し、大きな抜け球などもなかった。「イニングも投げられたし、全体的にバランス良く投げれた」と振り返った。

この日のフォームは、これまでの完全な2段ではなく、上げた左足を上下せずにトップでためを作って投げ込んだ。その日に合ったバランスとタイミングで投げていると説明し「その中で良いものを徐々に探って、自然に固まっていければ」。イニング間もブルペンに入り、感覚を確かめていた。

これで2軍戦は3試合9回無失点の快投。福岡で藤浪の投球内容を伝え聞いた矢野監督は「1個、2個とステップアップできた。だいぶ先が見える段階になってきた」と評価。今後は2軍と相談、としながらも「どれくらいに(1軍に)上がれそうというのを逆算しながらやっていく形にはできたんじゃないか」と、うれしい見通しを語った。

ここ2戦、中11日での登板が続いたが、次戦は中6日で18日の同広島戦(鳴尾浜)が有力で7回前後を投げる見込み。本来の投球へ復調を感じ「手応えとしては少しある」と話した背番号19は、着々と歩みを進めている。【奥田隼人】