日本ハムは2018年で北海道移転15年。過去の名場面、珍場面を、当時の紙面とともに振り返ります。

<10年5月20日付>

「古巣」をたたいた。トレード移籍2年目の日本ハム二岡が、巨人ゴンザレスから左翼スタンドへ決勝2ランを放った。10年間在籍した巨人を相手にした初アーチで、“12球団制覇”を達成。「何て答えれば一番いいのか分からない。意識はないですね」と言葉を選んだ。バットの先だっただけに「(外野手は)越えたかなという感じでしたけれど、まさか入るとは」。見えない力に押されたかのような、最後の一伸びだった。

この試合、両軍無得点の均衡を破ったのは、巨人坂本の先制弾だった。当時21歳。二岡が守ってきた遊撃のポジションで台頭を現した、若手有望株。直後の攻撃で同点に追いつき、そこで飛び出した意地の1発に、梨田監督も「目の前で坂本が打ったというのもあるだろうしね…」と、二岡の心中を思いやった。

退団(13年)までの5年間で、巨人戦の成績は30打数10安打、打率3割3分3厘。交流戦の対セ・リーグ球団の中では、ヤクルト戦と並びカード別トップだった。