広島高橋大樹外野手がプロ1号を放った。プロで初めて「1番中堅」に抜てきされた2打席目。1-1の3回先頭で、DeNA今永にカウント1-2と追い込まれながら、4球目の148キロのストレートを左翼スタンドに運んだ。ベンチでは、チームメートから「祝福の袋だたき」にあった。

「打ったのはストレート。追い込まれていたので何とか必死に食らいついていきました。しっかりと自分のスイングで捉えることができました」

12年のドラフト1位。龍谷大平安時代は通算43本塁打を誇り、入団当初は同じ高卒の2位鈴木より注目された。だがすぐに逆転され、大きな差をつけられた。今年は4月19日に初昇格し「今の僕は自分の結果がすべて。もう技術の問題じゃないんです」と悲壮な決意を語ったが、1週間で2軍に逆戻り。そこからもう1度はい上がってきた。

6月16日に再昇格し、同19日ロッテ戦でプロ初適時打。これで吹っ切れ、交流戦終了までに打率は3割5分に上昇。この日の抜てきにつなげていた。

緒方監督は今後の戦いについて「新戦力が出てくるか、はまるか」と話していた。戦いながらオーダーを固めていくと決めた今季。固まりかけた打線が交流戦で機能しなくなり、再び日替わりでオーダーを組まざるを得なくなった。防御率トップの今永に対し、1番に抜てきしたのが高橋大だった。1番に起用するのは6人目。今後も戦力として機能すれば、大きな武器になる。

リーグ再開初戦は今季ワースト17被安打で大敗したが、高橋大が収穫だった。