西武山川穂高内野手(27)が、両リーグ最速で100打点に到達した。楽天戦の1回2死二、三塁から2点適時打を放ち、数字を101まで積み上げた。01~03年のカブレラ、08、09年の中村に続く球団史上3人目の2年連続100打点到達。主砲に引っ張られた山賊打線は11安打で8得点。ソフトバンクのマジック点灯を許さず、3位楽天との差も2・5に広げた。

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山川のバットが、前夜8安打3得点に沈んだ「山賊打線」を活気づけた。1回、1点を先制し、なお2死二、三塁、楽天先発弓削の2球目、真ん中に入った145キロ直球を完璧にはじき返した。打球はライナーで左翼フェンスを直撃し、2者が悠々と生還。打点100の大台をクリアし一塁上で笑顔。「うれしいですよ。とりあえず100は行きたいと思っていたので」と振り返った。

開幕から4番に座り、6月までに27本塁打も、7月は打率1割台、4本塁打と苦しんだ。8月になっても調子は上がらず、同11日からは4番を外れ、7番、6番に座った。「最初は悔しかったですけど、今は与えられたところでやるしかないと思って。一昨日(21日に2本塁打)打ってから、確実によくなっている」。4番を外れた12試合で43打数13安打の打率3割2厘、5本塁打、15打点と、すっかり復調気配だ。

大砲としての地位を確立した今も、学ぶ姿勢は変わらない。代わりに4番に座った中村も好調を維持。常に本塁打を狙っている山川は「中村さんに聞いたら『狙う打席と狙ってない打席がある』って。だから打点も稼げるんでしょうね。勉強になります」。1発を狙う基本スタンスは変わらないが、先輩強打者の考えも柔軟に取り入れる。

チームは3位楽天を接戦で振り切り、首位ソフトバンクとのゲーム差を4・5とした。火付け役となった山川は「ホームランも打点も両方(タイトルを)取りたいけど、まず優勝。とりあえず明日何番を打つか分からないですが、よりいい場面で打てるようにしたいですね」。タイトルもリーグ連覇も、貪欲につかみに行く。【鈴木正章】

▼山川が今季101打点とし、2年連続のシーズン100打点。西武で100打点以上を複数回マークしたのは6人目になるが、2年以上続けて記録したのは01~03年カブレラ、08~09年中村に次いで3人目。