ヤクルト山田哲人内野手(27)が、盗塁連続成功の日本記録を樹立した。

1回、バレンティンの初球にいきなり仕掛けた。余裕のタイミングで今季28個目の成功。昨季8月26日DeNA戦からは33連続で成功させ、11~15年にソフトバンク福田がマークした日本記録を抜いた。日本球界初の「40本塁打・40盗塁」達成へ突き進む。

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いつも通りの涼しげな表情で、山田哲は左膝についた土をはらった。0-3で迎えた1回2死一塁、バレンティンの初球に仕掛けた。完璧なタイミングのスタートで、捕手梅野が二塁に送球したが余裕のセーフ。広島からの早朝移動で、コンディションは万全ではなかったが「体が重くて中間走の伸びはなかったけど、スタートは完璧に近かった。スタートがよかった分セーフになった」と淡々。今季28個目で、昨季8月26日DeNA戦から33連続で成功させ、新記録を作った。

山田哲流の盗塁とは、捕手との勝負ではなく、投手との勝負-。「捕手は気にしない。投手のけん制やクイックを見ている。スタートが大事」。投手と自分の駆け引きに集中する。その考え方について、土橋内野守備走塁コーチは「投手のタイミング、モーションを見て、自分のタイミングと計ってしっかり分かっている天才肌。スタート、中間走の伸び、スライディングもすべていい。だからマークされていても決められる」とポイントを挙げる。

チームは最下位で、この日も敗れた。試合後の表情もさえなかったが「走塁で流れが変わる可能性がある。続けていくことが大切。守備、打撃以外でも足でしっかり貢献したい。足の力で勝つ野球もある」。シーズン前から「究極の数字」として意識していた成功率100%も維持。本塁打は31発をマークしており、史上初の「40本塁打・40盗塁」も、かなわない数字ではない。【保坂恭子】