楽天松井裕樹(23)が苦しみながらも、自己最多タイとなる3度目の33セーブ目をマークし、チームの連敗を4で止めた。3点リードの9回表から今季60試合目の登板。2死満塁から源田に適時打を許したが、最後はパ・リーグ首位打者の森を148キロの高め直球で空振り三振に仕留めた。

笑顔はなかった。最後に勝利した1日の日本ハム戦以来6日ぶりの登板とあって「体が軽くてボールが上ずっていた。修正したかったけど、難しかった」。先頭の山川を直球で三ゴロに仕留めるも、続く木村に0-2から四球を与え雲行きが怪しくなった。金子に中前打を許すと、メヒアには10球粘られ四球で満塁。それでも秋山から直球のみで3球三振をとるなど、ボールに勢いがあった。最速は153キロ。35球中26球が直球と単調になったところをつかれたが、10球が150キロ台を計測した。

最後は守護神のプライドだった。「辛島さんに何とか勝ちを届けたい一心で投げました」。自己最多9勝目がかかっていた辛島とは、合同自主トレを行う仲。過去3度8勝止まりの先輩の勝利を消すことはできなかった。平石監督は松井について、「喝ですね。でもよく粘ってくれました」と苦笑いしながらも、強い信頼を寄せている。「ブルペンでの投球が空いた時の感覚のつかみ方を、もう少し考えないと」。CS出場に向け、とりこぼしが許されない大詰めを迎え、さらに気持ちを引き締めていた。【野上伸悟】