中日与田剛監督(53)が執念継投でクライマックスシリーズ(CS)の道をつなげた。巨人に5連勝。セ・リーグの戦いをかき回している。

指揮官は当然のようにベンチを出た。デビューから巨人戦2戦2勝の新人梅津が乱調。5回に1点を先制され、なお2死満塁。責任回数まであと1人で、あっさりと見切り、福にスイッチ。与田監督は「勝負をかけているし、結果を残してくれたのは選手。満塁本塁打なら(采配を)言われる。よく福が抑えてくれた」と振り返った。

阿部を右飛に抑えた福は6回も3人切り。ここから必勝リレーに入った。「持っている引き出し全て使いました。頼られているのを意気に感じたい」と福。4番手ロドリゲスは8回2死一、二塁で代打坂本勇を155キロで詰まらせた。Gキラー梅津がダメでも総がかりで巨人を封じた。

6回まで無安打に封じられていた巨人高橋を7回にとらえて逆転。大島が勝ち越しの2号2ランで試合を決めた。しっかり守って逆転と、巨人のお株を奪う強さを見せた。

1敗すればCSが風前のともしびとなるがけっぷち。与田監督は「前回の3連勝も今日の勝ち方もよかった。自信をつけてほしい」と静かにうなずいた。【柏原誠】