7年ぶりの日本一を目指す巨人が、3連敗で土俵際に追い込まれた。「SMBC日本シリーズ2019」第3戦は、先発高橋優貴投手(22)、3番手の戸郷翔征投手(19)と2人の新人を登板させたが、ともに失点を重ねて白星が遠のいた。23日の第4戦は腰痛から復帰した菅野智之投手(30)が先発。平成元年の89年日本シリーズは3連敗から4連勝。令和元年の再現へ、一戦必勝で戦っていく。

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点は取っても取り返され、追い付けば突き放される。波に乗り切れない巨人が、3連敗で追い込まれた。原監督は「思い描いていたリレーではあったんですけど、なかなか自分のピッチングができなかったというところでしょうね。フォアボール、エラーが絡むとね」と言った。

先発の新人高橋が3回途中2失点で降板すると、同点の4回からルーキー戸郷を投入した。巨人の高卒新人の日本シリーズ登板は66年堀内恒夫以来、53年ぶり3人目。終盤戦から頭角を現し、CSファイナルステージで先発した若武者も大舞台で力を発揮できない。 1死一、二塁からバンデンハークの投前へのバントを三塁へワンバウンド送球。三塁手岡本も捕球できず(投手失策)、満塁と傷口を広げると、犠飛と内野安打後に、3番柳田に対して制球が定まらない。2ボールから、直球を2球連続外して押し出し四球。デスパイネには高めに浮いたスライダーを左前に運ばれた。亀井の2発で追い付いたチームにとって、あまりに重い4点を失った。

若い力に託した投手陣が粘れず、打線もソロによる2点どまり。今季の巨人打線を支えた2番坂本勇、3番丸、4番岡本が計11打数無安打に終わった。坂本勇は3打席連続三振に倒れるなど、3試合で11打数1安打の打率9分1厘。3番丸は9打数無安打と結果が出ていない。

指揮官は「なかなかジャイアンツらしさ、良さが出てないですね。本人たちは懸命に違った環境の中で、もがきながらプレーしてる。スタイルは全く変える必要がないですよ」と信頼は揺るがない。坂本勇は「このままやられっぱなしじゃダメ。それじゃ、絶対いけないと思いますし、僕らの意地も見せられるように。1打席でも早く修正して、明日頑張って打ちます」と約束。徳俵で踏ん張る力を全員でしぼり出して、次なる戦いに向かうしかない。【前田祐輔】

巨人戸郷(2/3回を3安打4失点で黒星)「大事な試合だとは分かっていたのですが、もっと練習しないといけない。(バント処理は)投手寄りに来たのでファーストだと思ったので、最初からサードという気持ちがあったら、もっとよく投げられたと思う」

巨人岡本(4打数無安打に終わり)「頑張ります。簡単に終わるわけにはいかないので」

巨人丸(3試合連続無安打)「甘いボールを打ち損じていることもあるし、いいボールもある。どっちもです。ヒットが一番いいですけど、フォアボールでもいい。いい意味で開き直っていくしかない」

巨人宮本投手総合コーチ(新人の高橋、戸郷に)「2人はこの業界のルーキー。責任は取らせたくないし、彼たちがこれを糧にしてくれればジャイアンツのプラスになる。責任は私にある」