大商大が2年ぶり5度目の神宮切符をつかんだ。第1代表の関大とともに11月15日から始まる明治神宮大会に出場する。

ヤクルトにドラフト4位指名された大西広樹投手(4年=大商大高)が4安打完封。阪神育成1位の小野寺暖外野手(4年=京都翔英)は好走塁で勝利に貢献した。

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阪神に育成ドラフト1位で指名された小野寺が神宮行きを決めた。長打力が売りの主砲だが、負ければ引退の大一番は足で大きく貢献した。

1-0の6回。2死から四球で出塁した小野寺が大きくリードを取った。バッテリーが無警戒なのを察知してスタート。広島ドラフト5位の石原貴規捕手(4年=創志学園)の送球より早く二塁に到達した。「走らないと思われていたと思う。ノーサイン。自分の判断でいきました。打つだけが仕事じゃない。1試合通じて、どこかで役に立とうと思っています」。会心の判断に胸を張った。

その後の走塁も光った。中前打で好スタートを切ったが打球が速く、中堅が捕った時点でまだ三塁の手前。それでも迷わず本塁に突進し、間一髪のタイミングで滑り込んだ。

50メートル走6秒2と際立った速さではないが走塁センスがある。同じ育成入団から走力を生かして今年大ブレークしたソフトバンク周東のように、プロではその足が大きな武器になる。4回は犠打で先制点を演出。無安打でも全2得点にからんだ。

「日本一へのスタートラインに立てた。あと4試合、必ず勝ちに行きます」。ビッグタイトルを阪神入りの手みやげにするつもりだ。【柏原誠】