来季は必殺仕事人スタイルだ。楽天由規投手(29)が20日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、30万円増の450万円でサインした。

1球の重みを再確認した。「実際は1試合しか投げられていないですけど、いいモチベーションで来年を迎えられると思う」と言葉に力がこもった。今季、故郷の仙台に戻り楽天で育成選手として再出発。右肩の故障を乗り越え、7月29日に支配下契約を勝ち取ると9月26日、西武とのシーズン最終戦の9回に登板。481日ぶりの1軍マウンドで150キロを計測するなど、1回無安打無失点2奪三振で復調を印象づけた。

完全復活に向け、1球も無駄にしない。来季は先発、中継ぎの役割にこだわらず1軍定着を狙う。右肩の状態も考え、少ない球数での投球を重要視。今オフは「新しい球種を練習している。ツーシームとかシュート。1球で仕留められる球。三振を狙うと球数が増えるので、極端に言えば1球で終わらせられるのが理想」と必殺の決め球を磨く。

来季に向けて「新しいスタイルが見えつつある。1年間フル回転したい」と手応えは十分。ケガを乗り越えた苦労人が、地元仙台で輝きを増す。【島根純】(金額は推定)