「期待料」の奮発で上位浮上や! オリックスが6日、今オフの契約更改交渉を終了した。公式戦は最下位に沈んだが大減俸を食らった選手は少なく、異例の「暖冬更改」になった。1000万円以上の昇給を勝ち取ったのは実に9選手。森川球団本部長は「来年、どうしても巻き返しをしないといけない。選手の励みになるようにという思いも込めました」と意図を説明した。

この日も自己最多の103試合出場で打率2割2分の小島が800万円増の2600万円でサインした。二塁や三塁のほか、一塁や右翼、左翼でも先発した万能ぶりが評価された形だ。同本部長は「チームのケガ人が出たときの補強には彼のユーティリティーぶりが非常にありがたかった」と説明し、小島も「そういうのができなければ、1軍にいられないと思う。やりがいがある」と胸を張った。

今季活躍した主砲の吉田正、山本、山岡が3日連続で大幅昇給。この日も82戦出場で打率2割6厘にとどまった小田が100万円増で、自己最少56試合出場の西野も現状維持。辛口査定はなかった。同本部長は「(査定の)基本は変わっていない。プラスアルファを加味した」と話す。ナインの発奮をうながし、96年以来の頂点を狙う。(金額は推定)【酒井俊作】

▼オリックスの“暖冬”更改 主砲吉田正が2億円の大台に乗ったほか、勝率1位のタイトルをとった山岡が1億円に到達。最優秀防御率の山本も5000万アップの9000万円と、結果を残した多くの若い投手が昇給を勝ち取った。野手でも、中川が新人の球団史上最高アップ率300%増の2800万円でサインするなど、育成選手を含め今オフは実に35人が年俸アップ。現状維持は15人で、ダウンしたのは6000万円減のT-岡田ら12人にとどまった。