今秋のドラフト候補、大商大・吉川貴大投手(3年=開星)が、オリックスのファームとの練習試合で大学では自身初の完封勝利を挙げた。

最速149キロ右腕は、関西6大学リーグで先発もなく未勝利だが、育成選手中心の打線とはいえプロ相手に0を9つ並べた。「1人の打者、1イニングと必死だった。意識はなかった」。1点取られたら交代の約束で登った先発マウンドを144球で守り抜いた。

この日最速の147キロの直球と大きく曲がるカーブで緩急をつけ、5回までわずか1安打。6回は無死満塁のピンチを背負ったが、クリーンアップを1人ずつ打ち取った。これ以降は毎回走者を出しながら本塁を踏ませなかった。9回で6安打を許し、4四球を与える中で8三振を奪った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、スカウトは入場できない中での快投。5日に阪神2軍とのプロアマ交流戦でも5回無失点でプロ相手に14イニング無失点を続けており、右腕への注目度はさらに高まりそうだ。

◆吉川貴大(よしかわ・たかひろ)1998年(平10)7月27日生まれ、松江市出身。竹矢小3年から軟式の竹矢アドバンスで野球を始める。開星中から開星へ。3年春に甲子園出場も初戦敗退。大商大では1年春から登板。3年まで先発はなく、リーグ戦未勝利。最速149キロ、変化球はカーブ、フォーク。182センチ、80キロ。右投げ右打ち。

◆大商大・吉川の阪神戦 5日に阪神ファームとのプロアマ交流戦(鳴尾浜)に先発し、5回2安打無失点。初回、先頭高山に直球で空振り三振を奪うと、2回には変化球で大山から空振り三振と、1軍の主力クラスも抑え込んだ。6四球を反省したが、粘りの投球で失点しなかった。最速は146キロだった。