福島レッドホープスは敵地で群馬ダイヤモンドペガサスと対戦し、今季初登板の遠藤智騎投手(25)が同点の最終回2死満塁の窮地を抑え、2-2で引き分けた。

勝ちに等しい今季初ドローだった。絶体絶命の場面で福島1年目の救世主がしのいだ。1点リードの8回裏。伊藤侃嗣投手(26)が2四球と安打で1死満塁のピンチを作ると、遊撃手の失策で同点にされた。新型コロナウイルス対策による特例措置で、7回以降に2時間45分を越えて新しい回には入れず、このタイミングで試合時間のアナウンスがあり、福島の今季初勝利は消えた。伊藤が後続を一飛に打ち取り、遠藤が救援へ。「緊張よりも絶対に抑えてやるという気持ちだった」。3球目の内角直球で一ゴロに仕留め、岩村監督の起用に応えた。

遠藤は桐光学園(神奈川)出身で、1学年下には楽天松井がいた。「人一倍努力している(松井の)姿を身近で見てきた。後輩ですけど、考え方などで尊敬できる部分がある」と刺激を受けてきた。昨季は関西独立リーグの和歌山でプレーし、同オフに特別合格選手として福島入り。「NPB(日本プロ野球)に行くからここに来た訳ではなく、福島のために頑張る思いが一番。結果としてNPBへの道が見えるという考え方です」。後輩に負けない気迫の投球で、独立リーグ日本一への原動力となる。【相沢孔志】