「逆襲のカー君」がハッスルした。楽天田中和基外野手(26)が19日、日本ハム8回戦(札幌ドーム)で2打席連続適時打を含む4打数3安打3打点。今季初の猛打賞で2試合連続のスタメン起用に応えた。18年新人王も昨季はけがに泣き、今季は開幕2軍スタート。走攻守3拍子そろった4年目が持てる力を見せつけた。

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まだまだこんなもんじゃない。田中は結果に飢えている。「監督、コーチにまだ活躍している姿を見せることができていない。自分ができるということを見せていきたいです」。

根拠を持って、腹をくくった。2回無死満塁。「内田が四球を選んでつないでくれたので、初球ストライクを取りにくるだろうと思って狙いました」。日本ハム杉浦の初球外角146キロを、歯を食いしばって捉えた。やや突っ込みながらも、最後は右手1本で右中間へ。先制の2点適時打で主導権をたぐり寄せた。

ポテンシャルを発揮しきれていなかった。2年目の18年、球団の生え抜き野手では歴代最多の18本塁打、21盗塁をマーク。新人王に輝いた。だが、昨季は右足首の負傷、左手三角骨の骨折、左手首痛で離脱するなど59試合の出場にとどまった。「去年は不安要素を抱えながらやっていた。今年はがむしゃらにやりたい」と再起をかけた今季も開幕2軍スタート。「開幕は2軍で出遅れた。これから取り返したい」と鼻息はどんどん荒くなっていた。

1本だけでは終われない。3回2死二塁、杉浦の直球を再び捉えた。左翼フェンス下部を直撃する適時二塁打。二塁上で高々と左腕を上げた。8回1死には一塁線へボテボテのゴロに全力疾走。投手内野安打で今季初の3安打猛打賞。前夜の1号2ランに続き、2日連続で輝きを放った。

三木監督も「積極的に、和基らしい打撃をしてくれた」と評価。「自分の打撃、守備、走塁を期待されていると思うのでこなしていきたい」と田中。目の色を変える「逆襲のカー君」が止まらない。【桑原幹久】