ロッテが逆転優勝を果たすために、乗り越えるべき壁がある。「左腕」だ。

76試合を終え、相手先発が右投手の場合は30勝19敗1分け、左投手の場合は13勝12敗1分け。明らかに分が悪い。16日の西武戦(メットライフドーム)もルーキー左腕の浜屋に6回4安打1得点で敗れた。

12敗の相手を見返すと、日本ハム河野、オリックス山崎福、楽天松井裕、西武内海らが並ぶ。ルーキー、先発転向、復活を期すベテラン…先発投手としては「初対決」に等しい相手が多い。

井口監督は16日の試合後に「初対決で感覚が合わなかったのか、ちょっとやられましたね」と話している。相手自身のプレッシャーも強いであろう対決で“節目の白星”を献上してしまっている。

12敗を解析すると、特に8月以降の8敗は数字的にも苦しい。相手の先発左腕が登板時の打率は、1割6分3厘。左腕との相性がいいとされる右打者でさえ、1割8分3厘だ。

初回の攻撃に限ると1割4分8厘、1巡目まででは1割6分1厘とエンジンのかかりが遅い。14日までは「先制した試合は22連勝」という記録があったものの、先制できない試合で苦労しているのも現実だ。4割超の出塁率を誇る1番打者の荻野が、7月下旬に故障で戦線離脱し、間もなく2カ月。ここに来て、存在の大きさが浮き彫りになってきた。

首位ソフトバンクに離されないためにも、3連敗は避けたい。17日の西武先発は左腕内海。9月2日の対戦では5回2安打。6三振を奪われ、うち4つが右打者だった。井口監督は16日の試合後に「左投手(の球威)に差されているイメージがある」と話した。

どんなオーダー、戦略で臨むのか。シーズン中盤の大事な一戦になる。【金子真仁】