プロ初4番の先制打も実らなかった。日本ハム西川遥輝外野手(28)が、ロッテ18回戦(札幌ドーム)で初の4番に起用された。1回1死一、二塁の第1打席で、ロッテ美馬から先制の左前適時打。開幕から全79試合で4番の中田が休養でスタメンを外れ、その代役を務めたが、悔しい逆転負けを喫した。

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延長10回、逆転での苦い敗戦も、ファンにとっては心に残る試合になったかもしれない。西川が今季最多1万307人が集まった本拠地札幌ドームを沸かせた。6連戦が続くなど過密日程の中、主砲中田が休養目的でスタメンから外れベンチスタート。開幕から79試合で4番を打ってきた男に代わって、10年目でプロ初の4番に座ったキャプテンがゲームを動かした。

1回、平沼と近藤の連続安打で1死一、二塁と広がったチャンスで、鮮やかに打ち返した。今季7勝の先発美馬に対して、カウント2-1からの4球目、やや高めに入ってきた変化球をとらえ逆方向へ。打球は左翼手の前で弾む先制の適時打となった。試合中のコメントで「4番でなく“4番目”の打者として仕事ができました。4番(中田)を休ませてあげられるよう頑張ります」。チームを勇気づける一打で一挙3得点につなげた。

美馬との相性の良さを発揮した。7月14日にマルチ安打を記録するなど、今季3試合で8打数4安打1打点、打率5割とした。月間打率3割5分4厘の西川を4番で起用した意図について、栗山監督は「今日のメンバーで1番勝ちやすい形」と説明。西川は延長10回には四球で出塁し、反撃のチャンスを広げたが、勝利にはつながらなかった。

今季残り40試合となり、シーズンの3分の2を消化した。チームは休養日を挟んで明日22日から敵地での西武戦を控える。「いろんなことがあるけど、このままではいけないのでしっかりやっていきます」と話す指揮官から全幅の信頼を得ているキャプテンが、オールマイティーに駆け抜ける。【山崎純一】