逆転優勝へ正念場の2位ロッテが23日、再び魔の水曜日を迎えた。ここまで貯金11。カード初日の火曜日は9勝4敗1分けと好調ながら、水曜日は5勝7敗1分けと振るわず“水曜どうでしょう?”状態から脱却できずにいる。

打線が湿る。チーム打率2割4分2厘に対し、水曜日は試合前の段階で2割1分2厘。得意のオリックス戦2試合を除くと、一気に1割9分4厘にまで下がる。

同一カード6連戦が続いた変則シーズンで、水曜日は2試合目にあたった。各球団とも、エース格に任せる曜日ではない。特にシーズン序盤は「勝って勢いづいてほしい」という期待値込みの投手が起用された。データもそろわない時期。ロッテ打線は、相手の思惑にはまってしまった。

象徴的なのが、楽天涌井だ。昨季までのチームメートと、今季11試合目となる7月1日に初対戦。要所をのらりくらりとかわされ、5回2失点。涌井はその後8連勝。勢いづかせるきっかけになってしまった。

7月29日の2戦目も打てず、8月26日の今季3戦目でようやく黒星をつけた。ただし、涌井に対してのチーム打率は1割5分7厘。福田秀と藤岡のソロ2発で勝った。3戦で適時打は1本もなく、ロッテらしくない1発でしか、得点できていない。失策と四球でチャンスをつくり、しぶとく単打でかえしていく今季の野球を封じ込められていた。

水曜日だけの勝敗でいうと首位ソフトバンクは9勝2敗2分け。3位楽天は9勝4敗で23日を迎えた。だからこそ水曜日の負け越しは、優勝争いの中で地味に響く。14週連続で水曜日先発の左腕小島も、立ち上がりに悩みながら、3、4回の2イニングは今季無失点と粘ってきた。涌井との投げ合いはこれで4戦目。井口監督は「2度同じ投手にやられるのは良くない」と言い、各球団の主戦級にリベンジを果たしてきた。水曜日を制することが、逆転優勝への第1歩だ。【金子真仁】