広島中崎翔太投手(28)が26日、広島市内の球団事務所で契約交渉に臨み、減額制限(40%)いっぱいとなる5800万円減の年俸8700万円でサインした。大幅減俸に右腕は「2年間、何もやっていないですし、金額に関しては仕方がないかなと。仕事ができていないだけなので。クビになったわけではない。また一から頑張るだけです」と気持ちを切り替えた。

絶対的守護神としてリーグ3連覇に貢献した右腕は、昨年11月に右膝半月板部分切除手術を受け、今年3月に実戦復帰。開幕は1軍スタートだったが、わずか6試合の登板で1勝0敗、防御率9・00と振るわず、7月10日に2軍降格。ウエスタン・リーグでは5試合に登板し、防御率1・80と安定感を取り戻しつつあった。

しかし試練が待ち受けていた。右肩に違和感を抱えながら投げ続けてきた中、9月に右後上腕回旋動脈瘤(りゅう)があることが発覚。同19日に切除術を受けた。「血管が詰まっているわけですから、死ななくてよかった。野球ができることが一番、うれしいです」。順調にリハビリを続け、この日ブルペン投球を再開。「今は何の違和感なくできています」と話した。

この2年間は悔しいシーズンとなった。巻き返しを期す来季について右腕は「言われたところでやるだけです。必要としてもらえるように、アピールはしていかないといけない。内に秘めるものはある。このまま終わってしまうわけにはいかない。一生懸命頑張りたい」と気合をにじませた。【古財稜明】(金額は推定)