広島の高卒2年目左腕、玉村昇悟投手(20)が、5回2失点と力投も2敗目を喫した。中日戦で、プロ2度目の先発。4回にビシエドに先制2ランを許したが、緩急を使った投球でテンポよく試合を作り、高い能力を示した。プロ初安打もマークした。次こそ、プロ初勝利をもぎ取る。

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まだ表情にあどけなさが残る弱冠20歳の左腕が、敵地のマウンドで堂々の投げっぷりを見せた。独特のテークバックから最速145キロのキレのある直球を投げ込み、緩急を使った投球でテンポよく5回を3安打2失点。打線の援護なく2敗目を喫したものの、先発としての役割を果たした。

「(捕手の)石原さんがうまく引き出してくれたので、なんとか投げられた。『押すところは押して、引くところは引こう』と。任せようと思った」

1発に泣いた。3回まで走者を背負いながらも、落ち着いたマウンドさばきで後続を断った。だが4回、先頭の福田に四球を許すと、続くビシエドに初球、真ん中に甘く入ったスライダーをひっぱたかれ、左中間スタンドに放り込まれた。「(先頭の)四球がもったいなかった。ストライクを取りにいくより、(ビシエドに)四球でもOKだったのかなと。もうちょっと厳しいコースに投げきった方がよかった」と反省した。

「母の日」にプロ初勝利は贈れなかったが、1軍の舞台で奮闘する姿を見せた。前回プロ初登板初先発した4月29日DeNA戦の後、母小由美さんから「次も頑張れ」とエールを送られた。「応援してくれているので、勝ちたかったですけど、ダメだった。次に生かしたい」と前を向いた。

小由美さんには「野球が主の生活で、いろんな面で支えてもらった」と感謝。「ちょっとしたことでも怒ってくれた。片付けや時間に遅れないとか、当たり前のことですけど、試合中の態度や気遣いは言われてきた。そこは今も身についているかなと思います」と感慨深げに思い出を語った。

佐々岡監督は「ボール自体は良いボールを投げていた。まだまだ楽しみ」と評価した。次戦については「最低でも今日のような投球ができれば。次もしっかりとというところはあります」と期待。玉村は「良い試合を作れるように頑張ります」と気合をにじませた。【古財稜明】

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