ヤクルト金久保優斗投手(21)は、思わぬ“後遺症”に苦しんだ。5月14日中日戦で打球をみぞおち付近に受け、負傷降板。胸部の打撲で選手登録を抹消された。復帰登板となった前回同25日日本ハム戦では5回2失点。「調子が悪くて、真っすぐのかかりもいまいちだった」と振り返った。

150キロ前後の伸びのある直球で空振りを取るのが本来のスタイル。だが、前回登板ではシュート回転が目立ち、相手打線に狙われた。「打球が当たって縮こまってて。普段は胸を張って投げていたので、その分張りが少なかった。棒球というか、伸びていない真っすぐだった」と分析。一塁側に体が倒れ、体が開きやすくなっていたフォームの改善に力を入れた。「あんまりやらなかったんですけど、自分的に良くないので」と、先発登板の2日前にブルペン入りするルーティンも変更。前日もブルペンに入って、入念に確認した。直球の質にこだわって調整した。

1日の試合前時点で今季はここまでプロ初勝利を含む3勝を挙げ、防御率1・99。2戦連続でカード頭を託されるなど、チームからの信頼が日に日に大きくなってきた。納得のいかなかった前回登板も「調子がひどい中で2失点でまあまあかなと思った。そういうピッチングを、いくら調子悪くても最少失点で続けていきたい」と前を向く。まだ高卒4年目の若武者。打球直撃で学んだことも、血とし肉とする。【湯本勝大】