安定感が増している。楽天滝中瞭太投手(26)が「日本生命セ・パ交流戦」ヤクルト3回戦で5回を2失点にまとめ、自身3連勝となる4勝目を挙げた。2連続ソロを浴びたが持ち直し、要所を締めた。チームは2勝1敗で交流戦3カード目にして初めて勝ち越し。リーグ単独首位に立った。

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まさかの2球連続被弾も、そこから大崩れしない強さがある。滝中は3回2死、ヤクルト塩見にカーブをバックスクリーン左へ運ばれ、続く青木にも初球チェンジアップを左翼席へ打ち込まれた。「ソロは仕方ない。大量失点じゃなくてよかったです」。切り替えて山田を空振り三振に切り、味方の逆転を待った。

「今日の状態でよく粘れたと思います」。決していいコンディションではなかった。4回は2死から連打され、5回も走者を背負った。絶好調で投げられる日など年に数日しかない。巨人を7回途中まで無失点に抑えた前週に続き、バッテリーを組んだ足立と話し合いながら「最低限の仕事」をやり遂げた。

先発として大事なのは、完璧を求めることではなく最低限を保つこと。“高すぎないハードル”として開幕前に石井GM兼監督から設定された。「最初から6回3失点、7回3失点を目指してほしい」。クオリティースタート(QS=先発6回以上、自責点3以下)がノルマ。滝中は4月8日以降の先発全6試合で、5回以上、自責点2以下を続けている。「3回で2失点しても6回、7回まで投げ切れればQSになる。そこを目指したい」。

この日も6回まで投げる予定だったが、1点リードの得点圏で打席が回った。指揮官は「点がほしいところ」とやむなく代打を出した。「彼は最初のロッテ戦だけよくなかったけど、それ以降ずっといい投球が続いている。できないことが続くことがあまりない。そういう投手がチームの中にいるのはすごく大きいと思います」と、2年目右腕の安定感をたたえた。

後を継いだブセニッツと、1回戦で敗戦投手となった酒居も好投でやり返し、逃げ切った。2連勝で13日ぶりの単独首位に。石井GM兼監督は「まだ早い。全然早いです」と順位を気にするのは時期尚早としながらも、思わず笑顔を見せた。【鎌田良美】