あの衝撃から340日、逆転優勝を目指すロッテに今年も、頼もしい剛腕が途中加入した。6月にDeNAからのトレードで入団した国吉佑樹投手(29)が、2点リードの7回に新天地で初登板。オリックスの上位打線を相手に無失点で切り抜けた。移籍後初ホールドで、後半戦初勝利と、先発美馬の2カ月半ぶりの白星に貢献した。

「ほっとしますね。先発投手にしっかり勝ちがついたことが、チームとして何よりだと思うので」

1死一、二塁で雨が強くなったが動じない。196センチ長身からの直球で後続を見逃し三振と凡打に仕留めた。デビューを彩るかのように花火が打ち上げられた。

最速150キロの直球にカットボール、フォークを交えて力で押した。居合わせた1万3000人超のファンが、沢村拓一投手(33)の姿を重ねたことだろう。剛腕は昨年9月、巨人からの電撃移籍でロッテに移り、9月8日の日本ハム戦(ZOZOマリン)の6回、3者連続三振デビュー。チームのCS進出を後押しし、大リーグへ渡った。

その後釜に…の期待は大きい。「沢村さんの方が実績がすごいですし、一緒にされたら沢村さんに失礼かなと僕は思ってるんですけど」と大きな体を縮めながらも、十分に自覚する。

「7回というポジションに割って入っていけるような存在になりたいなと思いますし、そういう意図をもってトレードでロッテに来たと思っているので」

威風堂々、投げ下ろす。【金子真仁】