阪神矢野燿大監督(52)の来季続投が18日、決定的となった。この日、甲子園での中日戦前に藤原崇起オーナー兼球団社長(69=阪神電鉄会長)が代表取材に応じ「おととい(16日)、球団事務所で来季もお願いしたいという話をさせていただきました」と、続投要請していたことを明かした。契約年数や条件などはシーズン後にあらためて詰めるが、球団側は手腕を高く評価。複数年契約も視野に、長期政権を託す方向だ。

試合後に矢野監督は「返事はシーズンが終わってから」としながらも、「この時期に言ってもらえるのは、3年間やってきて、評価してもらえたのはありがたく思っています」とこの時期の要請に感謝の気持ちとともに前向きな姿勢を示した。

矢野監督は18年オフに3年契約で就任し、最下位に沈んだチームの再建を任された。1年目の19年は貯金1で3位、2年目は貯金7で2位と順位を上げた。契約最終年の今季は首位をキープ。「オレだけでできることじゃない。コーチが手助けしてくれて、スタッフが後押しして、選手がついてきてくれた」。矢野イズムが浸透しての快進撃だ。藤原オーナー兼球団社長も「進化している」と評価する。

失敗を恐れない積極的な野球に若手がマッチした。この日は3番糸原が決勝打を含む3安打猛打賞と起用が的中。8回にも連続で代走を送るなど、最後まで機動力で相手にプレッシャーをかけた。8回岩崎、9回スアレスにつなぐ必勝リレーで、中日との投手戦を制し、用兵面でもさえを見せた。続投が正式に決まれば、来季は就任4年目。12~15年の和田豊監督以来となる。「今を目いっぱいやっていって考えます」と指揮官はシーズンに集中。まずは16年ぶりとなる悲願のリーグ優勝を実現する。