1球も振らなかった。見ているだけだった。巨人中田翔内野手(32)が“満員のダイヤモンド”で押し出し四球を選んだ。

8月22日DeNA戦の移籍後1号以来の打点をマーク。3点リードの3回1死満塁、広島の先発九里に対し、1度もバットを振ることなくストレートの押し出し四球で追加点をもぎ取った。

2軍調整中の16日。イースタンリーグ・楽天戦で阿部2軍監督から珍しい指示を受けた。「(振らずに)見にいっても中田翔クラスはフルカウントになる。そういうのがあるよと。タイミングをとって自分でどう見えるかというのも大事。そういう練習ができるのはここ(2軍)しかないから」(阿部2軍監督)。2球続けてボール、2球続けて直球でストライク。外角に逃げる変化球でフルカウントとなり、最後は外角直球を“あえて”見逃し三振をした。

21日から1軍に再合流した。2軍では打率5割、4本塁打で復調をアピールし、昇格をつかんだ。同日から「6番・一塁」でスタメン出場も、3打数無安打、1四球。この日も2回無死からの1打席目は捕邪飛に倒れていた。快音は聞こえないが、四球だって打点を挙げられる。【為田聡史】