ヤクルトが、粘り勝ちで今季初めて首位に立った。15年のリーグ優勝を経験する小川泰弘投手(31)が、7回を3安打1失点の好投。ロースコアの展開に持ち込み、土壇場9回の中村悠平捕手(31)勝ち越し打につなげた。

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“主力”の代打攻勢で勝負を決めた。同点の9回1死一、二塁。後半戦3度目のベンチスタートだった山田が代打で登場した。遊ゴロも、全力疾走で併殺を阻止。2死一、三塁とし、続く代打中村が2球目を振り抜いた。「ライアンが粘りの投球をしてくれて、清水がしのいでくれて。みんなでつないでくれた。なんとかしたいの一心だった」。勝ち越しの中前適時打。一塁上で右手を突き上げ、感情を爆発させた。

1点が勝敗を分ける緊迫した展開。それでも高津監督は冷静だった。ベンチには山田と中村のレギュラーが控える。「ピンチを乗り越えて、少ないチャンスをモノにする展開に持っていきたかった」と言った。青写真通り、ここぞの勝負どころをモノにして競り勝った。首位浮上もあくまで通過点。指揮官は冷静に「目の前のゲームを全力で戦うだけ。我々の野球を続けていくだけ」と引き締めた。