中嶋チルドレンの象徴が、一振りで試合を決めた。オリックス紅林弘太郎内野手(19)が、1点を追う7回2死満塁で右中間へ逆転の3点適時打を放ち、三塁ベース上で真っ赤な右拳を突き上げた。

   ◇   ◇

三塁ベースライン上に投球軌道を描き、ミートポイント重視の素振り2回で足を固める。紅林は、打席に入る際のルーティンを繰り返し、日々成長を遂げている。

「プロは毎日、試合があるので、うまく切り替えてやっていかないと。去年ファームで1年間、試合に出させてもらった経験が、今生きています」

早出練習に取り組めば、試合直後には筋力アップのためにウエートトレーニングも。186センチの身長も、成長期でまだ伸びている。

1軍に食らいつく毎日で「疲れてしまって…。(寮の)部屋とかホテルに戻ったら、すぐに寝てしまうんです」と苦笑い。前半戦は「ふがいない結果でした。全然打てない時期があって…」と口をつぐむ。最近は「監督に『いろいろ考えずに、シンプルにいけ』と言われました!」。19歳の努力は実を結んでいる。【オリックス担当=真柴健】