日刊スポーツ東北版で、毎週木曜に楽天情報をお届けする「週刊イーグルス」。第23回は毎月1回連載の大村三郎ファームディレクター(FD、44)インタビュー。9月のファーム振り返り、10月11日から始まるみやざきフェニックスリーグの展望などを聞きました。【取材・構成=桑原幹久】
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【投手】
-9月の注目投手は高田孝一(23)でした
遠投を練習で取り組んだが、まだうまくできていない。力の入れ具合が分かってきたら、もっと良くなる。
-同じく新人の内間拓馬(22)の現状は
とにかく投げっぷりがいい。カーブもうまく使える。最近ここに来てスピードが落ちているところが気になるが、順調だと思う。ただ、球が強いだけでは上では打たれてしまうということを今後分かってほしい。
-将来的に西武平良のように育ってほしい
そういったタイプを目指して、クローザーができるくらいになってほしい。
-育成1年目の石田駿(24)も登板を重ねています
夏前は打者が立っていたら死球、四球で、やっとストライクが入るようになってきた。投げ方は独特(右横手)で、球は強くて打ちづらい。おもしろい存在。
-3年目の佐藤智輝(21)も2軍戦で登板しました
キャンプの時にけがをしたり、速い球を投げたがっていたけれど、自分を知って質、制球力で勝負するようになってきた。速くて145キロくらい。平均で141、2キロくらい。
-鈴木翔天(25)が1軍で結果を出しています
抑えてくれたらうれしいよね。ファームの試合で成功体験するよりも、1軍でした方がはるかに効果は大きいと思う。
-藤井聖(24)も登板機会はなかったが、1軍で時間を過ごした
周りに話を聞ける環境にいることで、いい経験もしていると思う。
-清宮虎太朗(21)は2月にトミー・ジョン手術を受けました
長い距離は投げ始めている。ウエートトレーニングも走らせてもジャンプさせても身体能力はめちゃくちゃ高い。うまいこといけば化ける。
【注目投手】
佐藤智輝、小峯新陸(19)王彦程(20)引地秀一郎(21)内星龍(19)
引地は右肘を手術して、先日育成試合で1イニング投げた。ここから上げていくことだけ。内はちょっとけがをして、今はピッチングをやっている。フェニックスとかで投げられたら。
【野手】
-9月は新人入江大樹内野手(19)が注目選手でした
試合に出たらヒットも打つし、いいプレーもする。引き続きおもしろい選手。
-育成2年目の江川侑斗捕手(20)の現状は
常に危機感や支配下になりたい、1軍に上がりたい、試合に出たいという思いがすごく見える。水上桂(20)、沢野聖悠(19)の同級生も見習って競争してほしい。江川は水上に負けたくないという気持ちはあると思う。
-同期の刺激合いは歓迎
俺も負けたくないと切磋琢磨(せっさたくま)してくれたら。黒川史陽(20)も背中で見せられるタイプ。ファームにいても背中を見せて、下の子がどう感じるか。いい方向に導ける選手。年齢は関係ない。
-黒川が1軍で活躍するために必要なことは
正直ファームでやることは少ない。144キロ以上の打撃成績を出してもらうと、2軍では打率3割を超えるけれど、1軍では1割台。それがキレなのか1軍で力が入るのか、質なのか分からない。それを探っていった方がいい。
-明確な目標があった方が取り組みやすい
米国では92マイル(約148キロ)以上の球を投げられるか、打てるか、が基準。日本では90マイル(約145キロ)くらい。「何でだろう」と考えさせることも1つの練習。
-フェニックスリーグのテーマは
若手の普段出られない選手も出られる場だと思う。そういうのを見るのが1番楽しみ。今年はシーズン中だから調整の場になるかもしれないけど、できる限り監督とそういう選手も使いながら若い子も使いながらという話をしたい。
【注目野手】
黒川、武藤敦貴(20)、水上、江川、山崎真彰(26)、沢野、入江
去年の1、2年目の野手全員に注目したい。黒川、武藤は1軍の戦力になれるか。江川、水上は試合に出て、いかに覚えるか。
キャッチャーなのでかみ合いもあるけど、どうやったらうまく引き出せるか。失敗できる場だから、そういうことを考えてほしい。