プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る21年」を今日から13回連載します。プロ野球を球団別に12回連載。続いて日本人大リーガーを取り上げます。第1回は西武。制球に苦しみながら規定投球回数に到達した今井達也投手(23)を取り上げます。

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今井がプロ5年目で初めて規定投球回に到達した。8勝と防御率3・30はプロ入り最高の成績だったが、今季も制球に苦しんだ。与四球が両リーグ最多の99個あり、与四球率は5・63。昨年の7・59からは改善されるも、規定投球回に到達して与四球率5・00以上は10年マーフィー(ロッテ=5・25)以来、11年ぶり。今井の5・63は、2リーグ制後の規定投球回到達者では7番目に悪かった。右打者は296人と対戦して33四球だから9・0人に1個の割合だったが、左打者は386人に66四球で5・8人に1個。左打者への制球に苦労した。

今井は与えた死球が11個あり、暴投も11。与死球と暴投の両方が2桁は14年の久保(DeNA)とメンドーサ(日本ハム)以来で7人、8度目。村田(ロッテ)が2度やったが、村田の与四球率は74年が4・33、78年は2・34。与四球率が5・00以上で2桁与死球と2桁暴投は01年前川(近鉄)に次いで2人目だ。プロ野球の歴史を振り返っても、今季の今井はなかなかの荒れ球投手だった。

四死球を出しても、簡単には失点しなかった。走者得点圏では146打数29安打で被打率1割9分9厘。今季の規定投球回以上で得点圏被打率が1割台は両リーグで4人しかおらず、パ・リーグでは山本(オリックス)と今井だけ。荒れ球で相手ベンチが作戦を立てにくかったのか、走者一塁で15本、一、二塁で9本、満塁で2本と、両リーグ最多となる26本の併殺打を打たせた。結果、歴代与四球率ワースト10の投手で、今井だけがその年の防御率順位で10傑入りした。それでも四死球は減らした方がいい。四死球で出塁させた15人がホームを踏んでいるが、これが半分の8人ならば防御率は2点台になった。【伊藤友一】