2022年のスター候補は君だ! 12球団の担当記者がブレークを予感する選手たちを紹介する恒例企画を、今年もお届けします。

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21年、ブレーク間近だったヤクルト金久保優斗投手(22)には、本格派の気配がある。

昨季は10試合に登板し、プロ初勝利を含む4勝1敗で防御率2・74。150キロを超える直球に、スライダーやチェンジアップを散りばめる。4月4日巨人戦でシーズン初登板を果たすと、開幕5試合は3勝無敗、防御率1・85。序盤は先発ローテーションの一角を担った。

中盤ではアクシデントに見舞われた。5月14日中日戦で打球がみぞおち付近を直撃し、途中降板すると、感覚が狂った。打球が当たったことで、投球フォームに影響。胸を張って投げられず、修正に時間がかかった。「長引いた分全然投げられなかった。僕自身結構投げたいタイプ。投げて覚えていくことも多いので」と悔やんだ。

状態を立て直し、1軍に復帰すると、クライマックスシリーズファイナルステージ第3戦では、打球が直撃して降板となった原に代わって緊急登板。3回2/3を4安打1失点でまとめ、不穏な雰囲気を振り払った。力があることは証明できている。契約更改の場では、球団から奥川、高橋、金久保の3本柱が見たいとはっきりと言われた。「僕も頑張ります。もっと気合を入れて投げないと」。エース争いに割って入る。【湯本勝大】

【22年注目選手】連載まとめ

◆金久保優斗(かなくぼ・ゆうと)1999年(平11)11月4日、千葉県生まれ。中学では佐倉シニアに所属。東海大市原望洋では3年春にセンバツ出場。17年ドラフト5位でヤクルト入団。20年10月22日巨人戦でプロ初登板。183センチ、74キロ。右投げ左打ち。