球界の功労者をたたえる「2022年野球殿堂入り」が14日、野球殿堂博物館から発表され、オンラインで通知式が行われた。

選手としての貢献を表彰するプレーヤー表彰では、現ヤクルト監督の高津臣吾氏(53)、プロ野球史上最年長の49歳で勝利を挙げた元中日山本昌氏(56)が殿堂入り。プレーヤー表彰は19年の立浪和義氏以来、3年ぶりの選出となった。

高津氏は資格7年目での選出。2年連続の最多得票だった昨年から52票を上積みし、86・1%の高得票率を獲得した。現役監督の殿堂入りは18年の金本知憲氏以来8人目。大リーグ経験者としてはフランク・オドール氏、野茂英雄氏、佐々木主浩氏、松井秀喜氏に続く5人目。

山本氏は有資格初年度の昨年、いきなり高津氏に次ぐ票を獲得し、順調に票を伸ばした。資格2年目での殿堂入りは島岡吉郎氏、広岡達朗氏、稲尾和久氏、山内一弘氏、若松勉氏以来6人目。

また特別表彰では、東海大学長を務め、首都大学野球連盟を創設した故松前重義氏(享年89)が選出された。同表彰はアマチュアや審判員を含め、野球発展に顕著な貢献をした人が対象。松前氏は2020年から候補入りしていた。

指導者も対象となるエキスパート表彰は、2年連続で当選者なしだった。

◆高津臣吾(たかつ・しんご)1968年(昭43)11月25日、広島県生まれ。広島工-亜大を経て90年ドラフト3位でヤクルト入団。93年から抑えを任され、4度の日本一に貢献。最優秀救援投手4度。03年に史上初の通算250セーブ。同年オフにFAでホワイトソックス移籍。05年途中にメッツへ移り、06年ヤクルト復帰。07年オフに退団し、韓国・ウリ、台湾・興農、BC・新潟を経て、12年に現役引退。NPB通算286セーブは岩瀬仁紀に次ぐ歴代2位。引退後は14年からヤクルトのコーチを務め、20年から1軍監督。21年はチームを日本一に導き、正力松太郎賞。右投げ右打ち。

◆山本昌(やまもと・まさ) 本名・山本昌広(やまもと・まさひろ)。1965年(昭40)8月11日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。日大藤沢から83年ドラフト5位で中日入団。最多勝3度、最優秀防御率1度、最多奪三振1度、ベストナイン2度。94年沢村賞。06年に史上最年長の41歳で無安打無得点。08年通算200勝。15年にプロ野球史上初の50歳での登板、出場を果たし、同年に現役引退。49歳で勝利、45歳での完投、完封といった年長記録のほか、実働29年、23年連続勝利もプロ野球タイ記録。通算219勝は球団史上最多。95年までの登録名は「山本昌広」。現在は野球評論家。左投げ左打ち。