“石キャノン”で正妻取り!? 広島石原貴規捕手(23)が送球技術を磨き、正捕手争いに挑む。1月8日から24日まで大分県内でソフトバンク甲斐らとともに合同自主トレを行い、捕手としての技術改革を敢行。強打の捕手がそろう中、守備力を武器に競争に割って入っていく。

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強打の捕手がそろう正捕手争いに、石原は守備力を磨いて挑もうとしている。侍ジャパンの正捕手で、ゴールデングラブ賞を5年連続で受賞中のソフトバンク甲斐に弟子入りして、26日からマツダスタジアムの合同自主トレに合流した。甲斐とのトレーニングでは午前からランニング、守備などを行い、午後は打撃に筋力トレと濃密な内容。その中でも特に重きを置いたのは送球面だった。

「昨年、阻止率が全然ダメだった。今年はしっかり確実性を上げていけるように。そこがしっかりしてくれば、また変わってくる」

60試合に出場した昨季、盗塁阻止率1割4分3厘だった。マスクをかぶった広島5選手の中ではワーストの成績。もともと捕手としての総合的な技術に定評があるだけに、さらなる送球技術の向上を求め、“甲斐キャノン”の神髄に触れた。

まず、送球までの動作を変えた。昨季までは<1>捕球した後に、<2>右足を踏み出し、そして<3>左足を踏み出して投げていた。だが、今年から<1>と<2>を同時に行い、ひとつ省くことで時間は短縮される。さらに細かなステップの中にも、左右の股関節にしっかりと重心移動させる意識付けを徹底。キャッチボールからフォロースルーを大きく取るなど新しい感覚を体にたたき込み「球の質が良くなってきたかなというのはあります」と一定の手応えもある。

また、制球安定のため、送球フォームも微修正した。もともと肘を下げた投法で、手元のズレが二塁ベース上では左右のずれとなっていた。肘の高さを変えずに左肩を下げる腕の振りを地面と垂直にすることで手元がずれても上下のズレとなり、アウトの確率は自然と上がる。

「自分のイメージは変わってきた。今年はそれでやっていこうと思います」。甲斐だけでなく、楽天時代に日本一も経験したヤクルト嶋からは配球術も学んだ。会沢をはじめ、坂倉、中村奨らがいる1軍キャンプで、磨いてきた守備力を見せつける。【前原淳】