「9番二塁」でオープン戦初スタメンの熊谷敬宥内野手(26)が、広島菊池涼直伝の「忍者守備」としぶとい打撃でみせた。

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2回表の楽天辰己のゴロをダッシュして捕球後、軽やかなスローイングでアウトをもぎ取った。3回無死二、三塁の第1打席では、フルカウントから右腕滝中の127キロスライダーを軽打。先制の中前適時打とし、これが決勝点に。直後には二盗を決め、走攻守でアピールの手を緩めなかった。

「僕の中では追い込まれて『なんとか事を起こそう』という気持ちで打席に入った」とタイムリーを振り返り、「まずは守ってこそ。守備からリズムを作っていけたことが今日は良かった」とうなずいた。

今オフは中日三ツ俣を介し、9年連続ゴールデングラブ賞の広島菊池涼に弟子入り。1月の2週間、静岡県内で合同自主トレを行った。守備だけでなく打撃フォームも参考にするなど攻守にエキスを吸収。2月のキャンプでは連日の早出特守を敢行し、教えを体に染み込ませてきた。

昨季二塁のレギュラーだった糸原を休ませ、熊谷を起用した矢野監督は「スタメンに出たいという気持ちがあいつの中であふれ出てる」と目を細め、「評価できるヒットやったし、だからこそもう一丁、もう1個までやってもらえたら」と求めた。開幕まで残り19日。プロ5年目の26歳が、レギュラー争いをかき乱す存在になる。【中野椋】