オリックスが6投手の計141球リレーで0封勝利を収めた。

必死のバトンパスに、中嶋監督は「よく投げました。なかなかないですからね、こういうの」と救援陣の奮闘をたたえた。

緊急事態だった。先発した山岡が4回1死二塁で日本ハム野村に危険球を与えて退場。2番手の阿部はブルペンで肩を作らずにマウンドに向かい、投球練習の14球のみでスタンバイ。気迫の投球で2イニングを無失点でリレーした。

3番手の近藤は6回1死満塁のピンチで2者連続三振を奪い、一塁側ベンチから飛び出して出迎えた阿部と熱い抱擁を交わした。昨季はケガに苦しみ、ともに大阪・舞洲でリハビリを行っていた2人が、試合を立て直した。

7回に登板したプロ5年目の本田は、球団日本人最速タイの158キロを3度計測するなど、1回無失点でプロ初勝利をマーク。8日楽天戦でプロ初ホールド、15日ロッテ戦でプロ初セーブを記録した若き右腕に、また記念球が増えた。

ウイニングボールは「お母さんにあげたい。今まで支えてきてもらったので、初セーブのボールと一緒に渡したい」と女手一つで育ててくれた、母もえみさんに感謝のプレゼントだ。

これでチームは3連勝で借金4。主砲の吉田正ら、コロナ離脱組の復帰もあり、反撃を狙う。2万1152人が見とれた神戸の花火ナイト。闘魂の救援リレーで、アクシデントを乗り越えた。【真柴健】

◆本田仁海(ほんだ・ひとみ)1999年(平11)7月27日、横浜市生まれ。星槎国際湘南では2年春からエースも、甲子園出場なし。17年ドラフト4位でオリックス入団。18年9月に右肘手術を受け、オフに育成契約。19年7月に支配下復帰し、20年11月1日日本ハム戦でプロ初登板。今季5月15日ロッテ戦で初セーブ。今季推定年俸500万円。181センチ、74キロ。右投げ左打ち。

▽オリックス中川圭(0-0の7回1死二塁から決勝適時三塁打)「食らい付いて、対応するっていうことだけを考えていた」

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