今秋ドラフト候補が集結した合宿に、NPB11球団のスカウトが詰めかけた。

紅白戦2試合と、試合後のフリー打撃まで多くのスカウトが残って視察。阪神・和田豊テクニカルアドバイザー(59)、西武・渡辺久信GM(56)、日本ハム・稲葉篤紀GM兼SCO(49)ら各球団の幹部が熱視線を送った。

ドラフト1位候補の日体大・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)は“三刀流”を披露。紅白戦1試合目に先発し、制球に苦しみながら2回を無安打無失点。最速は149キロだった。2試合目は指名打者で先制の適時打を放った。50メートルの光電管センサーでの測定はトップの5秒98。「(50メートルで)1番になることを狙って合わせてきた。代走でも代表に入りたい」と話した。

西武・渡辺GMは、矢沢について「(投打の)両方ができるのはすごい魅力。走るのも速い。遠投が見たことのない球筋で、なかなかプロでもいないきれいな球を投げていた。打撃でも1番飛ばす力はある」と評価した。

東北福祉大・杉沢龍外野手(4年=東北)は適時打を放ち、さらに守備でもアピール。早大・蛭間拓哉外野手(4年=浦和学院)も好守を見せた。

今年、大学生を初めて直接視察したという日本ハム・稲葉GM兼SCOは「いい選手がそろっているので、一度自分の目で見たかった。選手からジャパン入りへの思いを感じた。矢沢投手のスライダーのキレは素晴らしいですね」と話した。

阪神・畑山俊二統括スカウト(58)は杉沢について「守備の1歩目がいい。センスのよさを感じる。シャープな打撃も見られた」。蛭間については「肩もあるし、力強い走りもある。リーグ戦ですでに見ているが、再確認することができました」と評価していた。