ロッテ井上晴哉内野手(33)は決勝点となる2点適時二塁打を放っても、晴れやかな笑顔ではなかった。

「そんな笑っている順位でもないですし。もうちょっと泥臭くやんないといけないなとは思うんですけど。まだまだこれからだというのは自分の中でも持っているので」

決意の一打は同点の7回2死一、二塁。5回に三振を喫していた西武隅田の、初球の内角寄り直球を左中間へきれいにライナーで引っ張った。

「最初の打席でけっこう思ったより刺されてたので、まっすぐいいんだなと。チェンジアップはその中で手出しができたので、あと見てないのスライダーだなと思って。オギさん(荻野)も山口もスライダー振らされて、あんな感じかなと、よく観察して打席を迎えることができました」

冷静に、しかし強い気持ちで絞り込んだ。当然のように燃えていた。

「いやぁ、もう、絶対に勝とうかなと」

直前の守備で、右翼を守る福田秀がアウトにしながらフェンスに激突。担架で退場した。

「ああいうプレーは年に1回あるかないかなので。その中で今日上がってきたばかりの秀平さんが。その頑張りの姿は周りに影響を与えてくれたので」

2軍でリハビリをともにする時間も長かった。「静かに黙々と自分のことをやっている人」という。「お互いモヤモヤした気持ちもあったと思うし。一生懸命やってる姿を見てきて、自分も頑張らなきゃなと」。その2人で負けが込むチームに白星を引き寄せた。

この日も4回までに8つの残塁。「あと1本」が出ずに多く負けてきたが、打線にも意地がある。

「やることやれば僕らも負けてばっかりじゃないと思いますし、いい勝負できると思うので。自分たちの野球をできるように前を向いて。チャンスで1本は全員ができることだと思うし、僕もその一員なので」

また力を蓄えて、明日へ向かう。【金子真仁】

○…唐川が入団から15年連続での白星をマークした。この日は7回に登板し、福田秀の好守もあり無失点に。その裏に打線が勝ち越した。これでプロ通算77勝目。18年以降はカットボールを武器にリリーフで腕を振るベテラン右腕は「入団から勝ちが付いているというのは、これまで自分を使っていただいた監督、コーチのおかげであり、結果だと思います。これからも頑張ります」と感謝した。

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