西武今井達也投手(24)が魂の144球で勝利を呼び込んだ。9回まで4安打6四球、10奪三振の2失点。10回こそマウンドを守護神増田に譲ったが、4勝目を挙げた。「何とか9回まで投げられたのはよかった」と充実の汗を拭った。

8回まで117球。「行きます」。9回も志願してマウンドに上がった。ブルペンは誰も準備をしなかった。2死二塁。サヨナラのピンチを迎えた。疲れはあった。ただ、これまでチームの躍進を支えてくれたブルペンの仲間の勤続疲労を思えば、取るに足りない。もう1度、ギアを上げた。

マッカーシーへの初球。この日の140球目は154キロを計測。2-2からの自己最多となる144球目。149キロ直球でねじ伏せた。空振り三振。ほえて、力強く右拳を握った。

開幕直前に右内転筋の張りで離脱し、さらに左足首捻挫もしていた。ローテーションに入ったのは7月だった。「前半戦の分も、後半戦は頑張らないといけない」。前半は戦力になれなかったからこそ、強い決意がほとばしる。ロッテに2連敗と嫌な流れで迎え、しかも投げ合う相手は山本だった。その試合を勝てた。今、投手陣の疲労の色が濃い苦しい局面。遅れてきた鉄腕が頼もしかった。これで球団通算4999勝。節目にもリーチとなる1勝だった。【上田悠太】

○…21年目のベテランコンビがしぶとく打点を稼いだ。10回1死三塁では、代打の栗山が左翼にしっかり決勝犠飛を放った。「とにかくランナーをかえすことに集中していた」。4回1死二、三塁では、中村も二塁ゴロできっちりと打点。状況に応じたチーム打撃で先制点をもたらした。

▽西武辻監督(山本相手に白星) この試合は大事だった。やっぱり山本に勝つっていうの2勝、3勝分に当たるくらいの価値はあると思う。

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