中日福留孝介外野手(45)が8日、今季限りの現役引退を発表した。鹿児島・肝属郡の実家では父・景文さんが「よくやったよ。わが子ながらすごいことだと思う」とねぎらいの言葉を贈った。

小学3年でソフトボールを始めて4年で左打者に転向。中学時代は家族で行う夜間の打撃練習が日課だった。投光器も防球ネットも父景文さんの手作り。母郁代さんも交代でボールを上げた。冬には火鉢を炊いて、どてらを着込む。大粒の汗をしたたらせる息子が納得するまで特訓は続いた。

15歳で実家を離れ、プロでは24年間に及ぶ現役生活。テレビに映る息子に声援を送る。それが幸せな瞬間だった。実家のリビングや玄関には記念品やメダル、写真が所狭しと飾られている。本人から電話で連絡を受けた景文さんは「長い間よく頑張ったな」と声を掛けたという。