広島の新井貴浩新監督(45)が12日、マツダスタジアムで就任会見を行った。07年オフにFAで阪神へ移籍したものの、新井氏と広島の物語は14年オフから再び重なり合った。電撃復帰した14年以降、広島で残したエピソードは今でも広島ファンの心に強く残っている。

【電撃復帰】

★14年11月14日 広島球団から新井の復帰が発表された。阪神から野球協約で定められた減額制限を上回る大減俸(当時の年俸2億円から1億円以上の減額提示)に自由契約を選択。「もう1回競争できる環境に身を置きたかった」と、阪神からの提示額よりもさらに低い推定年俸2000万円で古巣への入団を選んだ。復帰1年目15年の背番号は28。

【復帰初打席】

★15年3月27日ヤクルト戦(マツダスタジアム) 電撃復帰した広島での公式戦初打席。7回無死での代打出場にスタンドから割れんばかりの拍手と歓声が注がれた。「あの打席は、生涯忘れることはない」。新井と広島の第2章はここから始まった。

【2000安打】

★16年4月16日ヤクルト戦(神宮) 3回無死二塁、ヤクルト成瀬から左翼線に二塁打を放ち、史上47人目となる通算2000安打を達成した。「みんながチャンスをお膳立てしてくれた。何とかしようと思った。自分もうれしかったし、たくさんのファンの方が喜んでくれた。それがうれしかった」。チームメートも堂林、鈴木、エルドレッドの3者連続本塁打など先発野手全員安打の17安打11得点で偉業に花を添えた。

【涙の抱擁】

★16年9月10日巨人戦(東京ドーム) 25年ぶりリーグ優勝を達成。優勝を決めた直後、ともに広島復帰2年目の盟友・黒田博樹氏とマウンド上で涙の抱擁。「黒田さんを見てグッときた。みんなのおかげ」。緒方当時監督、黒田氏に続いてナインから胴上げされた。

【七夕の代打弾】

★17年7月7日ヤクルト戦(神宮) 5点ビハインドの9回。2点差にせまり、なおも2死一、三塁で代打出場し、ヤクルトの抑え小川からバックスクリーンへ逆転3ラン。「誰1人として諦めていなかった。正直、回ってくるんじゃないかなと思っていました」。連覇へ加速する劇的勝利となった。40代での代打本塁打は球団史上初。

【笑顔の引退会見】

★18年9月5日 現役引退会見。「若手が力をつけている。3年後、5年後のカープを考えた時に、今年がいいんじゃないか」。11月3日ソフトバンクとの日本シリーズ第6戦(マツダスタジアム)の8回、代打でのショートゴロが現役最終打席となった。

【第3章】

★22年10月7日 マツダスタジアムにて、新井貴浩新監督就任発表。