離島の星が、九州の星になる! 大島(鹿児島)の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(3年)がソフトバンクから4位指名された。同校初のドラフト指名に、奄美大島は大盛況。気迫を前面に押し出すプレースタイルが特長で、同じ左腕の和田毅投手(41)に弟子入りを志願。将来は「日本を代表する投手に」と、力強く宣言した。

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奄美大島の鉄腕が、ソフトバンクから4位指名を受けた。その瞬間、大島のチームメートや島民から多くの祝福を受けた。「みんなが応援してくれていて、みんなに支えられているんだなと思いました。チームメートもみんな喜んでくれたので、しっかり頑張りたいです」。謙虚に喜び、離島のエースは胴上げされた。

今春のセンバツでは1回戦敗退だったが、169球の熱投を見せた最速146キロ左腕。今夏は鹿児島大会準優勝も、6試合で49イニングを1人で投げ抜き、64三振で、奪三振率は驚異の11・76だった。気迫を前面に押し出し、県立校の大島を全国区にした。「プロでも自分の持ち味をしっかり出して、しっかり活躍したいです」。ペイペイドームのマウンドでも、大野らしくほえる。離島から九州のスターに駆け上がるつもりだ。

ホークスには模範となる投手がいる。今季NPB通算150勝を達成した和田は、大野の憧れ。力強い直球を投げ込む同じ本格派左腕だ。「和田さんはずっと僕の目標としている方です。アドバイス、聞いてみたいです!」。胸を躍らせ、ベテラン左腕への弟子入りを志願。「ソフトバンクは投手陣のレベルが高いと思います。負けないようにします」。百戦錬磨の先輩のもとで、腕を磨いていく。

名前の「稼頭央」は、父がファンだった西武松井稼頭央新監督(46)が由来で、同校初のドラフト指名を受けた。将来的には「日本を代表する投手になりたいです」と、高らかに宣言。「まずは体づくり。プロで通用する体を作って、1軍で活躍します」。奄美大島の期待を背負い、大野は鷹のユニホームで大きく羽ばたく。【只松憲】

◆大野稼頭央(おおの・かずお)2004年(平16)8月6日生まれ、鹿児島・奄美大島の龍郷町出身。龍南中3年時の選抜チームで離島甲子園に出場。今春のセンバツは1回戦敗退。最速は大島入学時から約20キロ増の146キロ。変化球はカーブ、チェンジアップ、スライダー。175センチ、65キロ。左投げ左打ち。

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