ソフトバンクは24日、ペイペイドームで秋季練習を開始した。藤本博史監督(58)は、来季の主将続投に難色を示していた柳田悠岐外野手(34)の慰留に成功。99年からダイエー初の主将を務めた秋山幸二氏(60)を例に挙げ、背中でチームを引っ張る姿に期待を寄せた。

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ペイペイドームでの秋季練習開始前。藤本監督と柳田が約10分ほど話し込む姿がみられた。話題は主将の来季続投オファーだ。気になる交渉結果は「OKでした」と指揮官は明かす。「本人は(V逸の)責任を感じてキャプテンを辞めると言っていたけど、責任は全部僕にある。柳田に責任があるわけではない」。来季、3年ぶりリーグ優勝&日本一奪還への“初仕事”を終えた。

藤本監督が「主将柳田」にこだわるのは明確な理由がある。現役時代だった93年オフ。後にソフトバンクの監督を務める秋山幸二氏が、西武から前身球団のダイエーにトレードで移籍してきた。「秋山さんが来られた時、本当にいいピラミッド型のチームができた。秋山さんがトップで、その下に小久保、松中、井口、城島、柴原…。誰かが口で何かを言うのではなく、全員が背中で引っ張っていた」。秋山氏は99年からダイエー初の主将に就任。王監督(現球団会長)時代の99、00年のリーグ連覇の立役者となった。

理想像は当時の黄金期を作ったレジェンドOBたちだ。「やっぱりうちは柳田がトップ。いいピラミッドの形を、柳田を頂点にして作れたら」。柳田よ、秋山幸二になれ-。ルーキー時代から指導する愛弟子に、そんな思いを込めた。

約1時間半の全体練習を終え、柳田が所信表明した。「(藤本監督に)『俺が監督の間はやってくれ』と言われた。監督にそれだけ言われたら断れないです」と苦笑いしつつも「まずは自分。今年はちょっとダメだったので、いい結果を出せるようにまた準備をしたい」と意気込んだ。シーズン終了後に、専用の酵素ドリンクと水だけで一定期間を過ごす「ファスティング」を約1週間ほど敢行。「ここから食事、腸内環境を整えて動きます」。心身ともにリフレッシュした柳田が、来季も「C」マークで、チームを引っ張る。【只松憲】

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