ロッテ吉井理人監督(57)が10月31日、FA(フリーエージェント)権を保有している選手たちへの思いを口にした。

日本シリーズが終わり、この日から有資格者が権利行使を行える申請期間が始まった。ロッテでは今季、新たに4選手が国内FA権を取得した。特に中村奨吾内野手(30)は不動の二塁手としてフルシーズンでの活躍が何年も続く、チームの屋台骨だ。キャプテンも務めている。

吉井監督は「これは編成とか、球団に任せているので」と、FA権保有者に直接思いを伝えることはしない意向だ。

しない理由もある。ヤクルトでの現役時代、FA権を行使して大リーグに渡った経験がある。

「自分がFAの時は、そういうのイヤだなと思ったので」

自分の実力でつかみ取った、一部のプロ野球選手にしか認められない権利だからこそ。「自分でやりたいことを見つけて。自分で選ぶ権利なので。人の意見に左右されないで、がっつり決めてほしいです」と願いながら「もちろん、残ってほしいですよ」と語気を強めて締めた。

中村奨と同様、長くセンターラインを支えてきた田村龍弘捕手(28)も今回、国内FA権を行使できる立場にある。今季は高卒ルーキー松川、佐藤都ら若い捕手がスタメンマスクの大半を占め、田村はわずか2試合の出場にとどまった。一方で松川は打力に課題があり、佐藤都はこの秋は一塁、三塁、外野など複数ポジションを試されている。

監督をはじめとした首脳陣が代わり、正捕手の座を失っていた田村の存在も、ガラッと変わる可能性がある。吉井監督は「投手にも信頼厚いので、彼は」と高く評価している。FA宣言後の残留を認めるのが、ロッテの通例。球団関係者は権利保有者に対し「全力で引き留めます」との姿勢を見せている。【金子真仁】

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