阪神川藤幸三OB会長(73)が8日、高知・安芸の秋季キャンプを視察し、若虎に猛ゲキを飛ばした。第1クールから球場三塁側スタンド後方にある小屋の横に置いた椅子に座り、グラウンドに熱い視線を送り続けてきた。2度目の就任となった岡田監督に「選手が若いんやから、せめてもの経験者がおらんかったら分からないやろ。そういう面で、今回の岡田の役目ちゅうのは、あらゆる面で広い視野を持ってやってもらいたいな、っちゅうのが基本かな」と注文した。

投手陣の取り組みには物足りなさを感じていた。今秋は指揮官の方針で、少ない球数でも毎日ブルペンで投げることを求めている。だが、「今の子たちは球数制限とか、あらゆる面で違うからな」と理解を示した上で、「もっと投げてもええんじゃないかと思うよ。この時期なんかは体の限界を試すにはもってこいやけどな」。この日は第2クール最終日で「休み前やろがい。ブルペンで今日なんか見とっても100球投げるやつなんか誰もおらん」と不満げだった。

主力で中堅の大山へもさらなる奮起を促した。「大山がもっと若い連中との違いを見せつけるような姿にならないと。『ああ、やっぱり大山さんはちゃうわ』というぐらいのものを見せとかんとやな、意味ないよ」。自身の現役時代に秋季キャンプで目の当たりにした球団OBの藤田平氏を例に出し「あの先輩に勝つにはとか、肌身で感じるのが一番。2軍の連中に教えないと。大山が絶対見せないと」と語気を強めた。

秋季キャンプ後の自主トレ期間の重要性も説いた。「若い連中はオフなんかあるかい。自主トレ始まって、キャンプ始まって、そこで、『こいつに勝っとるか』『あっ、やばいな』っていうのを感じるのが12月、1月。1人でやる時間は一番大事」。愛情たっぷりの川藤節で、新生タイガースに熱いエールを送った。【古財稜明】