ロッテは26日、加藤匠馬捕手(30)が無償トレードで中日に移籍すると発表した。

加藤は21年6月15日に、加藤翔平外野手(31)との交換トレードでロッテに入団。約1年半ぶりに古巣へ復帰する。

チーム内に故障者や離脱者が続出した21年当時、加藤は入団間もなくして1軍戦力に。小島和哉投手(26)や佐々木朗希投手(21)とバッテリーを組むことが多く、彼らの能力を引き出した。小島は自身初の2桁勝利に到達した。

捕球から二塁到達までの送球タイムは時に1・8秒を切る。“加藤バズーカ”とも“カトパルト”と呼ばれる強肩が最大の武器だ。「肩の強さを武器にこの世界に入ってきたので、そこは自信を持ってプレーしていこうと思いますし、盗塁阻止率は捕手に必要なことだと思います。でも、それよりも(相手の盗塁)企画数が減るのが一番だと思っています。それが一番、リスクが少ないので」と話したこともある。

一方で、移籍入団当時と状況は変わった。今季はルーキー松川虎生捕手(19)と佐藤都志也捕手(24)でスタメンマスクをほぼ二分し、20年まで正捕手を張った田村龍弘捕手(28)にさえ出番がなかった。その田村もFA権を行使せず、ディフェンス型としては柿沼友哉捕手(29)もいる。同じく強肩を武器にする育成選手谷川唯人捕手(20)ら、若手も順調に成長する。打力に課題のある加藤の出番は限られてきていた。

このオフには経験談として、トレードについて口にしていた。

「必要とされて相手のチームに行くってことだと思うので、僕はとてもプラスなことだと思います。僕自身、言われた時はとてもうれしかったんで。マイナスなイメージは全くないと僕は思ってます」

求められて、再び名古屋へ。30歳になっても自慢の肩に衰えはなく、この秋のファン感謝デーで上がったマウンドでは自己最速の146キロをマーク。「そんな投げるつもりはなかったですけど、やっぱりマウンド上がったら、ちょっと楽しくなっちゃいました」と笑っていた。【金子真仁】

【関連記事】ロッテニュース一覧