テルよ、覚悟せよ-。阪神岡田彰布監督(65)が24日、佐藤輝明内野手(23)の三塁守備力アップへ「地獄キャンプ」を予告した。昨年11月の高知・安芸での秋季キャンプでは指揮官からスタミナ、技術不足の指摘を受けた。2月の沖縄・宜野座キャンプでは馬場敏史内野守備走塁コーチ(57)の指導のもと、徹底的に基礎からたたき込まれる。不動の三塁手へ、南国の地で鍛錬の日々を迎える。

     ◇    ◇    ◇

岡田監督は「佐藤輝」の話題に切り替わると同時に、険しい表情を浮かべた。「(秋は)あんまりいい形で終われてない。内野守備コーチにしたらあの辺が頭の痛いところちゃうか。継続して(練習を)やらなあかんと思うよ」。侍ジャパンの強化試合に出場していた影響で、約1週間のみの参加となった昨年11月の高知・安芸キャンプでは、体力、技術不足が露呈した。課題の三塁守備力アップへ、鍛錬の日々を予告した。

三塁手、主軸として1年間戦い抜いてほしいからこその愛のムチだ。指揮官は秋季キャンプ合流時に佐藤輝の三塁守備や打撃練習を見守り、「これじゃあかんと思うよ」と監督就任時に明言したレギュラー固定の白紙を示唆していた。「ポジション的にも打順的にも、ずっと主力張らなあかんわけやから。『3打席打ったら守備固め』っていう選手になったら困るからな。全部試合に出るのがまず基本やからな。大山にしかりやな」。能力の高さを認めるからこそ、期待を言葉に置き換え奮起を促した。

馬場内野守備走塁コーチは「もともと基本がちゃんとできていない子。危機感は持ってやってもらわないと困る。佐藤を甘やかすということは俺はしない」と断言した。「信頼されるように、打ち取った打球を確実にアウトにすることが手っ取り早い第1条件。そこを確実にやってほしいなということだけ」と話した。

課題は明確だ。馬場コーチは「捕球もスローも全部ですよ」と厳しく指摘。「グラブさばきだけでやってしまうとか、スローイングももっとステップして投げないといけないところを(手先で)スローしたりする。秋に言ったけど、きっちりそういうところはしないと」と追求した。

球団生え抜きでの三塁シーズンフルイニング出場は、85年の日本一に貢献した掛布雅之以来だ。鍛錬を積み、鉄壁の名三塁手へと進化を遂げてみせる。【古財稜明】

◆打撃改造予告(10月24日)侍ジャパンで離脱することに「帰ってきたら変えないといけない」と布告。

◆来季4番(同28日)テレビ番組に生出演し「まだ決めていないが、大山、佐藤輝のどちらか」。

◆やっぱり改造(11月11日)秋季キャンプで打撃改造について「下半身が弱い。スタンスが狭いということは重心が高い。くるくる回って力がない」。

◆ダメ出し(同12日)侍ジャパンの強化試合を終えて秋季キャンプに合流した佐藤輝に「これじゃあかんと思うよ。びっくりした」。三塁と主軸を託す構想も「今日の動き見とったら分からへんわ、ほんまに」。

◆猫パンチ禁止(同15日)初の打撃指導。ティー打撃中の佐藤輝に「ボクシングのパンチや。猫パンチじゃない」と実演指導。

◆離脱に苦言(同19日)特守を背中の張りで途中離脱したことに「リタイアしたらあかんわな。ノックの数も受けられないということやんか」とピシャリ。

◆変わらないと(同20日)志願して特守を受けたことに「そらあ、変わらんとあかんから。オフの間にどれぐらいやってるかや」。

◆4番固定(12月30日)4番を固定する方針を示した。大山、佐藤輝を念頭に「やっぱり変えられんわな」と持論を展開。

阪神ニュース一覧はこちら―>