ロッテ種市篤暉投手(24)が7日、沖縄・石垣島での春季キャンプで行われたシート打撃(ライブBP)に登板し、20年に受けたトミー・ジョン手術からの完全復活に向けて好投を披露した。

打者6人に対して計30球を投げ、安打性の当たりは安田尚憲内野手の2本のみ。力強い外角低めの直球で空振りを奪うほか、詰まらせてボテボテの内野ゴロも多かった。「まずは力強いまっすぐを投げること。指にかかったボールは良かったですけれど、まだまだです」。肩や肘に負担のかからない下半身主動の新フォームで試行錯誤しながらも、上々のアピールとなった。

19年には日本人最多タイとなる23イニング連続奪三振を記録するなど、8勝を挙げて次期エース候補に名乗りを挙げた。だが、20年9月に右肘を手術。昨年8月には1軍に復帰して先発して3回3失点で降板し、登板はわずか1試合。今オフにはメジャーリーガーも集う米国の施設で約10日間の自主トレを行い「動作解析やピッチングデザインもしていただいた。『この球を増やして』とか」と収穫も得た。「変化球はもうちょっと決まれば…。特にスライダーが緩かったので、ブルペンでしっかり調整していければ。2年間は投げていなかったですし、投げて、痛いを繰り返していたので苦しかった。とりあえず結果だけを求めて、ローテをつかめるように頑張りたいと思います」。八戸工大一(青森)からドラフト6位で入団してから7年目の今季、再び先発ローテーション入りを狙う。

シート打撃を見守った吉井理人監督(57)も「良かったです。しっかり腕も振れていました。良い時の状態に近づいてきていると思います」と納得の表情を見せた。さらに「成長途中でケガしちゃったので、あれ(活躍時)以上伸びてもらわないと。まだその途中という感じです」と復活だけでなくエース級への飛躍に期待を寄せた。【鎌田直秀】

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