キャンプインから球春到来。6年ぶりの「世界一決定戦」、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕も約1カ月後に迫ります。侍ジャパンへのエールを込め、「MY WBC」を紹介します。第8回はロッテ編です。

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「世話のやける子だな~」。目尻を下げたロッテ黒木知宏投手コーチ(49)は、WBC使用球をモミモミモミモミ…。佐々木朗が投球練習を行う前の滑りを緩和させるルーティンだ。ボールを渡すと佐々木朗も笑顔になる。

ロッテの「魂のエース」として「ジョニー」の愛称でファンに親しまれた黒木コーチ。現役引退から、16年ぶりにロッテのユニホームに袖を通した最初の大仕事が「日本の宝」をWBCに無事、送り出すこと。「ケガをしないように、故障しないように、踏み出した足が滑ったりしたら、大丈夫かなあって思いをする親心的になっていますね」。自身も00年シドニー五輪日本代表。国際試合の経験談を含めた宮崎なまりが少し残る優しげな言葉がけは、佐々木朗の癒やしにもなっている。

「重圧、負担がかかる中で、チームの柱としての自覚と、日の丸を背負う責任がピッチングに表れている」と順調な調整を強調した。「まず、日本のために頑張ってもらいたいですけれど、ケガなく、素晴らしい成績で1年間やってもらいたい。その準備だけは間違わないようにしたい」。本音の親心も漏れた。【鎌田直秀】